89.幸せな夢、幸せなはずの現実

夢を見た。
夢の中で昔の彼氏とバッタリ会って。
向こうから声をかけられて。
あの頃に出来なかったのを取り戻すかのように、腕を組んで寄り添って歩いてた。
向こうは学生服。
「高校は楽しい？」
って私は聞いた。現実ではもうそんな年じゃないのにね。

夢の中だったけど、私はすごく幸せを感じてた。
今でも覚えてる。寝てるのにね。
でもほんとに幸せだった。

今、ちゃんと寄り添ってくれる人が私にはいる。
もちろん、夢の中の元彼とは別の人。

しあわせなのに、しあわせなはずなのに、夢の中の私は寄り添ってくれる人がいるのにも関わらず、元彼と寄り添ってすごく、すごく幸せだった。

ありえないのに。

起きてから悲しかった。
今思い出しても悲しい。
幸せなのに、悲しい。どうして？
こんな悲しさ、彼氏にいえるわけが無い…。

高校、私の人生が色々狂い始めた時期。
あの人しか見えなかった時期。
何度も泣いて、毎日死のうと思うような時が始まった時期。

結局、あのころから歩き出せていないのかな
私の中の時計はとまったままなのかな
歩き出したつもりなのに。
もう毎日のように泣いてる自分はいないのに

まだ泣かない日を送れてるわけじゃない。
不安で泣きそうになる時は、時間や所構わずやってくる。
でも、多分前よりは大丈夫。

夜が嫌いで、眠る前に涙する事もまだ多いけど
昔みたいに毎日じゃない

進もうとしてるのか、戻ろうとしてるのか

明日が怖い、未来が怖い
時計なんて進まなくていい
私はこのまま止まればいい、そして消えてしまおう
そうすれば未来を恐れることもない
もうこわいことはなくなる

未来におびえて生きるのがいや
でも、怖い。
私のイヤな記憶は、消えない
無駄な所でいい記憶力


私は人の死を体験した事がすごく昔にもある。
記憶がまだつたないころ。
その人がなくなる前の記憶はいくつかあるのに、その後の記憶が暫く全くない。
なんでだろう？

無意識に封じ込めてしまっているのなら、今私が苦しんでる原因の悲しい事も、いやなことも、全て封じ込めてくれればいいのに。

そうすれば明日に希望が持てる？

消してしまいたい。記憶を。
消えてしまいたいと未だに想う、この世界から。